心技体のバランスを取れ！

2013マスターキャンプのチームメイト
右からサンフランシスコのアンディ、レバノンのナイラ、私

6月はフィラデルフィアのマスターキャンプとシアトルのキャンプ・ブラザーフッド、2つの空手合宿に参加し、いろいろ勉強になり有意義な時間を過ごすことができた。

 

マスターキャンプは国際色豊かでクラスも大人数、キャビンも食事も決して素晴らしいとは言えず、道場の床には所々穴が開いてるし、雨が吹き込んだり虫が飛んでたり、結構過酷な『合宿』である。期間も1週間と長い。

各種資格審査、段テストがあり、トーナメントもあるのでピリピリした雰囲気もある。

 

それに比べてキャンプ・ブラザーフッドは、部屋はきれいだし食事も美味しい、道場もちゃんとした部屋で一クラス40人位で稽古をするので、マイクもいらないしばっちり見えるし（先生の目が十分届くので、気を抜いてると即ばれちゃう）、段テストはあるけどトーナメントはないので、結構気楽である。

気楽、という言葉には語弊があるな～、アットホーム、と言えばいいかな。

フィラデルフィアに住んでるペルー人のベニルダ

キャンプサイトも牧場があってのんびりしているので、小さいお子さんを連れてくる人もいる。

 

カナダとの国境に近いので、カナダからの参加者も多い。

今年はカナダナショナルチームの選手と、アメリカのトップ選手、全米で形、組手で何度も優勝したJBが参加したので大いに刺激になった。

 

特にJBのクラスを受けれたのは、かなりうれしいサプライズだった。

現役バリバリの選手のセミナーを受けたのは初めてだ。

やはり、現役選手の言うことは臨場感がある。

クラスを教えてるというより、自分に言い聞かせている、と取れることも多く、選手同士の共通の感覚も感じられ、『私のやっている事、考えていることは間違いではなかったんだ。』と感じられたのも収穫だった。

顎が長い人は要注意？

今年は２月からトーナメントに出始めて、６月の時点で６回出た。
それなりに結果は出しているけど、何となくズレてるような感じがしていた。
何がズレてるかと言うと、心技体のバランスである。

『心』はやや難しいかもしれないが、『技』と『体』はそれなりに練習していれば身につくものである。
そして、『技』と『体』をコントロールするのは『心』であり、いくら『心』が素晴らしくても、『技』と『体』がなければパフォーマンスはできない。

ではどうやってバランスをとるのかというと、それは千差万別、自分で試行錯誤するしか方法はないのだ。
私の場合、オーバートレーニングとバーンアウト状態が考えられたけれど、原因は他にもあった。
全米とか世界チャンピオンとか、タイトルを必要以上に重く肩にのせてしまったのと同時に、そのタイトルに頼ってしまったんだと思う。

さてさて、現役バリバリのJBのセミナーで一番嬉しかったのは、『怪我をするまでプッシュしてはいけないが、フィジカル的に自分自身を常にプッシュしなければいけない。』と言う事。
例えば腰が痛いとすると、痛くないように控え目にするのではなく、自分自身でもっとプッシュしていけば、痛くないポイントが出てくるものだ、と言う考え方。

賛否両論あるでしょうが、私はこの考え方に賛成だ。
あくまでも自分の体を知っていることが前提だけれども。

彼も私と同じ様な考え方を持ち実行し、常に自分自身をプッシュし限界に挑戦し続けているのを知れたのは、私を大いに勇気づけてくれた。

矢口先生はいつも、『自分の体を甘やかしてはいけない。』と仰る。
同じ様な意味だけれども微妙に違う。

ずいぶん前に何かで読んだが、『もう限界』、と思うのは脳であって体ではない。限界と思っても体的にはまだまだ出来るんだと。
だから、『もうだめぇ～』と思ってからまず一歩、そして二歩と追い込んで行けば、かなりの可能性が出てくるはずなのだ。
もちろん脳が事前にストップをかけないと危ないこともあるのは承知の上です。

何だかずれてるな～感じたとき、この言葉に励まされた。

『行き詰まりは展開の一歩である』by　吉川英治
――人は行き詰ると立ち止まって思案する。つまりこれは、ステップアップのチャンスなのだ。物事の真理は試行錯誤して獲得するもの。――　なのです！！
 

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