2013年5月2日木曜日

OZAWA CUP 2013 6.18-34歳女子黒帯形で優勝

優勝を決めた形、二十四歩の動画


18-34歳形の表彰式
主催者のTAWATAO氏と
ダニエラは、糸東流の形を演武した。
細かい素速い動きが多い。ピッピッと腰を切って方向転換をし、座ったり立ち上がったりし、大変だ。
そして気合が長ーーい。あんまり長く気合したらその間に反撃されそうだけど、そういうスタイルなんだろう。
形そのものも、随分長い形だった。
でも彼女は上手だった。高得点が出た。

私の所属する松涛館はダイナミックさがウリ。
抜塞小は27挙動、二十四歩34挙動、短めの形である。
高低もほとんどない。基本的には一挙動目の高さを最後までキープする。

第二形の二十四歩は、先生から1回もOKが出なかった形である。『まあまあだな』も言われてない。『まだまだだな。』としか言われてない。

会場の様子
では演武するにあたって不安ばかりだったか?
答えはNO、間逆である。
そもそも4位と諦めていた所にふって沸いたような1位同点。
それだけでも嬉しくてしょうがないのに、本番で二十四歩をやる機会がめぐってきて『もーそうこなくっちゃ!』とワクワク度も最高潮。
マスターキャンプ試合で3位タイになった時、びびって二十四歩をやれなかった。あの後どんだけ後悔した事か。あの時の自分とはとっくにおさらば、今は別人である。

加えて完全にリラックスしていたのも功を奏した。
緊張して怖い顔になっていた時、『笑ってみな。』と良く先生が仰っていた。今は自然と笑みがこぼれる。
形が不完全なのは充分承知なので、期待しない分緊張もしない。
でも諦めている訳ではない。

この状況は、マスターキャンプ試合の3回戦に似ている。
あの時の相手も若く、素早いコだった。彼女の得意分野で競わず、自分の土俵に勝負を持っていった。

ダニエラが素早い形をやってくれた事は、私には有利と思えた。
二十四歩の様なじっくりとした形は、審判の目にはきっと新鮮に映るに違いない。
気合を少し長めにし、ひとつひとつの動きをとにかく丁寧にする事だけを考えた。

『ひとつひとつの技を丁寧に出す。基本に忠実に。』
二十四歩はまだ経験が浅いので、実はこれしかなかったのである。

進行方向45度の時は、副審の目をしっかり見て視線を定める。
静けさの中にも激しさを秘め..........
満足のいく出来だった。矢口先生がご覧になっていたら、褒めてくださっただろうか?

なんと8.6が出た!!
勝ったのを確信した。歓声と、口笛と、拍手が聞こえる。

礼をして振り向くと、たくさんの人が手を出して握手を求めてきた。みんな今日始めて会ったのに、自分の娘とか生徒が一緒に出てたのに、『おめでとう』『やったね!』『素晴らしかったよ!』と喜んでくれているのを見て感激してしまった。

後になって気がついたのだが、経験を積む、とはこういう事なのである。
似通った状況は経験済みなので、冷静に状況判断が出来る。ということは、どうしたら最良の結果が出せるか戦略を考えられる。
パニクッたり、先行きが見えない不安に押し潰されたりはしない。
先生に試合に出ろ出ろ、と言われ、『あーめんどくさー、出たくなーい』と思った事も多々あるが、たくさん試合に出て経験を積んでおいて良かった、とつくづく思ったのである。

To be continued.......


☆オザワカップ2013、その他のエピソード 1.速報2.速報、最優秀女子選手3.二十四歩4.ベガス入り5.あきらめないで!6.18-34歳女子黒帯形で優勝7.表彰式8.46歳以上女子黒帯形で優勝9.日本の大チャンピオンと組手!10.心を豊かに


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